オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ

オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ!

栗駒登山

宮城県民だもの、栗駒山に登らなくては…。
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前の日は久しぶりの大雨でどうしようか?と悩んでいましたが強行です。

山の天気は変わりやすいというので、きっと山は晴れだろうと思いきや大荒れの天気です。

息子はイヤだというので単独で。

到着は9時前でしたが、売店も開いていなければ駐車場にクルマもほとんどない。
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県のサイトを見れば、初心者向けの中央コースならば登り70分の下り50分と記してあったので、多少の雨は仕方ないと思い踏破します。
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まったく余裕なんですが、風が強くて雲も濃くなって視界が遮られているのは気のせいだろうか?と自問自答します。

そして「クマ注意!」なんて立て札もあるけれど鈴のような鳴り物もない。

周囲には本当に誰もいないから、恥ずかしくもなくBON JOVIなんか口ずさんでみる。
ななな・なーなな・なーなな・なな♪
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風の音は強くなるし、引き返そうかな?とも思うけれど、杭を除けば山頂まで少しなので頑張ってみる。
途中にクルマで待機している息子に連絡するというか、電話が繋がるか試してみる。大丈夫なようだ。

時間にして50分ほどで頂上に着いた。
誰もいないであろうと思ったが、カップルのクライマーが本当の登山装備で下るところだったので話しかけて、写真をお願いした。
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帰りも同じコースを降りてくるのは面白くないので、東栗駒コースを下ってくることにする。
trail[1]

ゴールは同じところになるので、ちょっとだけ変化に富んだコースにチャレンジしようと思ったことがのちに大変な過ちを犯してしまった。
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とりあえず「賽銭」を投じて無事に降りられるように祈ります。

この時点で私は荷物は何も無く手ぶらで、ポケットには携帯電話と非常食、カメラだけであります。
バックなど背負ってはいません。雨降りだったことと、身軽に動きたかったことと両方あります。

下りは雨だったせいもあって滑ります。

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もちろん前述のカップルはこのコースにはいなく、行きと同じコースで帰路に向かっています。

快適に下山していましたが、途中で困ったことにブチアタリマシタ。

雪渓です。(T-T)

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引き返そうかな?とも思いましたが、随分と快調に降りてきたこともあり、また登ることもイヤだったので進んでいきました。

ヤッテシマイマシタ。

氷が割れてしまいました。

一気にカラダが川に持っていかれました。

マジメに吃驚しました。

パンツまでビッショリなのがわかります。

防水機能であるカメラもケータイもぶっ飛んだと思いました。

加えて一面に雪景色であります。

普通は迷わないようにピンクや赤のリボンが木にぶら下がって道標となっているのですが、悪天候のせいでまったく見えない。

とにかく焦った、焦った。

いつしか登山が川下りとなってしまいました。

耳を澄ましてみます。川の上にある雪を歩いては、また流されてしまうので邪道ですが上へ上へと登ります。

案の定、カメラは電源が入りません。
ケータイは画面はつきますが、圏外なので電話してもムダなので何も押しませんでした。

それからどれくらい歩いただろう。

時間にしたら数十分ですが、私には4〜5時間にも感じるくらい長かった。

何だか知らないけれど、川に出てしまったようです。

迷った。どうしよう…。

至る所で川に入らないと下っていけないところがあり、(雪渓登山すれば大丈夫であろうがストックも持っていないので深さも調べられない)仕方なく胸まで使ったところも通ってきた。

何となく空も晴れ、ある物体が登ってくる。

「クマか?」

違う人間だ。

彼は全身びしょ濡れの私を見て驚いている。

コースはコチラで良いのか?と聞くも指差している。

ここまでアジア観光客が来ているのだろうか?日本語が通じないようだ。

あっ!道標のピンクのテープがあった。

しかし道は険しい。

ふやけてしまったせいか?寿命なのか?Keenの一応トレッキングシューズが片方壊れてしまい底が捲れてしまっている。

脱いで帰るわけにもいかないので、靴紐で縛って地面からの突起物にも備えられるようにして、ゆっくりと下っていく。

昨日からの雨のせいか、とにかく山頂から流れてくる水が目立つ。

要らないと思っていた非常食「カロリーメイト」が役に立った。

腹が減ると落ち着いた行動ができなくなるというのは本当のこと。

下半身は濡れて寒いが、上半身は汗でポタポタ。

辺りにあった大木を杖がわりについて歩く。

だんだんと人間の声がする。

観光客がこれから中央コースを登っていく様子だ。

やっと着いた。思わず泣き崩れるところだった。

辛うじてカメラとケータイは分解して水滴を除いたら作動した。

もう7月だというのに雪渓と思いもよらなかった。

山登りはナメテハいけない。そう悟った出来事でした。