オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ

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JSA(南北国境)前編

JSAとはJoint Security Area の頭文字を取って表したモノ。

北と南の軍事境界線上にある約800m四方の地域を指しており、日本語訳で「共同警備区域」。
画像の説明

これからバスに約1時間くらい揺られ向かいます。
途中に2箇所でパスポートの提示で、身元確認が行われます。
ツアー前にもしましたが、軍人がバスの中に乗り込み、ひとりひとり顔を確認します。

参加できない国籍はリビア、スーダン、シリア、アフガニスタン、イラン、イラク、キューバ、パキスタンおよび北と南のひと。

要問い合わせは中国、台湾、香港、マカオ、インド、ビルマ(ミャンマー)、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ロシア、エジプト。

つまりは旧社会主義国や共和国(共産党)と呼ばれるお国ですね。

ちなみに今回乗ったバスは日本人とアメリカ人だけでした。

ガイドは英語通訳ガイドと日本語通訳ガイドがそれぞれいました。

驚いたのは前者のガイド。

いきなりですが、北朝鮮から脱北したガイドと説明がありました。

このガイドさんはキムさんと言って40代くらいの女性。
脱北する前は平壌市内に住む富裕層です。

日本語はうまく話せなく、日本語ガイドが訳しています。
それはもう皆、関心ありまくりです。
質問があちこちからあり答えていましたので、以下Q&A方式で、大雑把ですが載せておきます。

Q:キムさんは北朝鮮で富裕層なのに、なぜ脱北したのですか?
A:確かに私の家族は富裕層でしたので、食べ物の心配はありませんでした。
しかし、北朝鮮では自由がないです。
活躍したいと思っても、それは北朝鮮ではできない理由がありました。

祖父母が済州島出身だからです。
韓国差別(朝鮮半島南部出身)があるので、出世は見込めません。
だから脱北しました。

Q:どうやって脱北したのですか?それと北朝鮮に残された家族はどうなるんですか?最終的に亡命は中国のブローカーにお金を払い、韓国に来ました。
私は短い期間でしたが、それでも10ヶ月ほどかかりました。
残された家族に心配は及びません。
なぜなら私が北朝鮮の家族にお金を送っているからです。
1年に数回、20万~25万Wくらい送っています。
そのお金は警察や権威者にも配られます。
1回送ると、北朝鮮ではひとりが800年生きられる額に相当します。
なので私がお金を送ると、みんなに恩恵を受けるので、逆に脱北者が身内にいると歓迎されます。

Q:どうやって送金するんですか?
普通に銀行では送金ができないので、ブローカー経由となります。
ソウルからブローカー(中国)⇒ブローカー(北朝鮮)から家族といった感じで、手数料が詐取されるので、結果的に家族に渡るのは多くて半額、少なくて20%くらいです。
運が悪ければ届かないときもありますが・・・。

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加工していますが、けっこうキレイな方です。
英語は物凄い流暢に話します。
ちなみに独身で婚約者募集だそうです。
出版されている脱北者の著書やネット、新聞とは違う声でしたが、実際はどうなのかは誰も分かりませんが、大いに気になる話でした。

画像の説明

さてバスでこんな誓約書にサインをしたら(終えたら返却されます)いざ国境へ・・・です。