オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ

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ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズの小説「ザリガニの鳴くところ」を実写化したミステリー。

本はスゴく売れたそうですが、私は「ザリガニ」というタイトルに興味惹かれ観賞。

ザリガニは出てこないけれどね…。

舞台は美しく生命力に満ちたノースカロライナ州の湿地帯。

変死体となった青年が発見され、犯人として疑われた”湿地帯の娘"と揶揄される主人公カイア。

事件の直接的シーンは映されないけれど、本編は法廷ドラマとなっていて、回想として過去が描かれています。

弁護士ミルトンは警察の捜査の矛盾や不足を指摘し、なんとかカイアの無罪を勝ち取り、その後に伴侶テイトと湿地の家で仲睦まじく暮らし、仲良く老いて、先にカイアがこの世を去る。

死後に伴侶テイトが身辺整理をしていると、実は完全犯罪を成立させていたことが分かる。

一般的に、動物の繁殖は「強いものが子孫を残す」と思われがち。
まさに♂同士が争って勝ったものだけが♀と交尾できる…しかし、実際の自然界はもっと複雑なの。

単純に雄同士の競争に参加するのではなく、例を挙げるなら「こっそりと♀に近づき交尾を済ませて立ち去る」など、競争せずに繁殖を達成する戦略もある。

そうかと言って♀はやられっぱなしなのかというと、そうでもない。
♀の中には繁殖にやってくる♂を捕食するものもいて、一部のカマキリやホタルが有名。
繁殖に積極的な♂ほど食べられて生存できなくなることも、子孫を残せないことも作品内で述懐している。

主人公カイアは、まさしくこの♀が♂を捕食する戦略のような行動にでている、といったところがオチとして表されている。

ミステリーというか映画ドラマですね。