網走に来ました。
いわゆるオホーツクというところ。
この縦書きには網走刑務所から出所してくる受刑者が、もう二度と「横道に反れないように」という願いが込められています。
定番でもある網走刑務所へ行きます。
日本最北端の刑務所です。
老朽化した刑務所建築物の移築保存を提唱し一般開放されたところです。
現在の刑務所は更に奥にあります。
国定公園にあるので敷地というか建物もかなり広く、半日かけても足りないくらいのみるところがあります。
けっこうリアルに当時の様子が浮かばれます。
園内かなり歩きます。
東京ドームくらいの建物が数戸以上あります。
お腹が空いたので食堂へ
旧称:番外地食堂です。
期待もせずに記念に食べてきました。
網走刑務所の受刑者の食事を再現したものを食べることができます。
食券を購入し、番号を呼ばれるのを待ちます。
お茶や水はセルフとなります。
監獄食A(秋刀魚)、監獄食B(ほっけ)、網走B級グルメのザンギ丼、和牛メンチカツ定食、ラーメン、そば、カレーなどがあります。
サンマはこの旅で食べたのでB定食を頼みました。
ご飯は米7割、麦3割、春雨サラダと切り干し大根は量が多め。
味付けは薄めで、濃い味が好きな人には物足りないでしょう。
銀のトレーに食器が昔懐かしのプラスチックの器で盛られてきます。
中身は特に印象はなくごく普通の味です。
少し外に出ると心地よい風が吹いてきます。
ここで開墾や食糧需給も行われていたのが感じ取れます。
その昔は牧師もいたそうです。
一緒にお告げを聞いています。
舎房へ行ってみます。
網走刑務所は放射状舎房となっています。
罪によって房が決められるのは今も昔も変わりません。
それでも寒さは半端なく看守も大変だったと言われています。
罪が重くなるにつれ房での待遇も変わります。
囚人同士の接触もできないよう施したんですね。
その中でも第4舎の24房は伝説となっております。
昭和の脱獄王『白鳥由栄』の房です。
ここは凶悪犯用の特別房でした。
青森・秋田と脱獄して3度目の刑務所収監がここ網走です。
彼はここでもひどい扱いを受け、腹を立てた腕力のあった彼は、力任せに手錠を何度か引きちぎったそうです。
手と足に鎖玉付きの錠をはめられ、房の床に転がされていました。手足の錠の当たる部分の肉が化膿してウジがわき、骨が露出したそうです。
錠を外されることはなく、食事は食器を口でくわえなくてはならず、また用便にも行けずに糞尿垂れ流しの状態。
週に一度だけ体を拭かれるぐらいで、風呂にも入らせてもらえず、彼は人間として扱われませんでした。
さすがに観念したか・・・そんなわけはなく
白鳥はまず手足の自由を得るために、手錠を根気よくぶつけ咬んだりして緩めることに成功。
つぎに独房の扉にあった視察孔の鉄格子がガタついていることを発見します。
白鳥は3ヶ月かけて根気よく鉄格子を揺らし続けて外します。
また毎日味噌汁を脱獄防止の鉄枠に吐きかけて腐食させる方法もとりました。
そして停電により看守交代が遅れた時をチャンスとばかり、手足の手錠を外すと視察孔の鉄格子を取り除きます。
自身は肩や腕などの関節を外して狭い小窓から脱走しました。
彼には常識をはるかに上回る怪力と身体の関節を比較的容易にはずすことができる特殊な体質を持っていたとされ、頭が入るスペースさえあれば、全身の関節を脱臼させて、容易に抜け出すことができる類い稀な特異体質があったとされます。
『人間のつくった房ですから、人間がやぶれぬはずがありません』彼が放った言葉です。
世の中凄いひとがいたもんですね。