オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ

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Fukushima50

原作は門田隆将のノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。

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50とは東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故発生時に発電所に留まって対応業務に従事した約50名の作業員たちを指します。

想定外の大津波で、全電源喪失(ステーションブラックアウト=SBO)となり、原発の核燃料を冷却できなくなりました。
そうなると熱で冷却水が蒸発して圧力が上昇し、化学反応で水素が大量に発生して爆発を引き起こすため、人間がこの格納容器内の蒸気を外に逃がして圧力を下げるための排気操作(ベント)をしなければいけません。

放射能を排出することにもなるが、圧力破壊で放射性物質が全部出て「東京を含む東日本の壊滅」となるよりは・・・という判断に至ります。

SBOの漆黒の中、作業員が放射能汚染されたエリアに入り、手でベントをしたことにより最終的には最悪の事態は回避できたのですが、1,2,3号機と検査中だった4号機で、炉心溶融(メルトダウン)や建屋の水素ガス爆発事故などが発生し放射能漏れは起こりました。
その後、福島第一原発は全て停止しました。

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原発事故を最小限に食い止めようとした、原発内の約50人の戦いの記録であり、現場作業員の視点で描かれているので、東電本店や首相の言動にはとてもイライラします。実際はどうであったのでしょう?老害や邪魔者レベルだったのでしょうか。

原発の専門用語が結構出てきましたので、サラッと知識をつけてから観ると理解が深まると思います。