1192年(いい国つくろう)と教わってきた鎌倉幕府の成立ですが,最近は1185年に成立したとするのが一般的になっていると聞きます。
1185年でもないとする説もありますが。
歴史の教科書は特にですが,伝えられる内容が変わります。
これを逆手に取り,素晴らしい授業をした教師がいました。
”エリン・マッカーシー”

ウィスコンシン州の社会科の教師です。
彼女は宿題として,教科書を読んでくるように伝えましたが,その宿題について生徒から不満があがりました。
教科書の記述内容が間違っていたということ。
まさに,鎌倉幕府の成立が1192年だと記述されてるような感じです。
エリンは意図的にその宿題を与えていました。
1940年に使われていた教科書の内容をコピーして,生徒たちに読ませてきました。
生徒の数人は,書いてある内容をそのまま受け取った者もいました。
教科書の内容というのは,100%真実しか伝えていないという「先入観」を子どもたちは持っています。
しかし,1940年に作られた教科書には,今とは異なる「事実」がたくさん記述されていました。
エリンはこの宿題と授業を通して「知識は常に進化する」ということを生徒たちに気づかせました。
教科書ですら,間違えたことを教えている。
いま習っている「事実」ですら,数年後には変わるかもしれない。
エリンの授業によって,生徒たちはいい意味で「自分の知識を疑う」という考え方を持つことができるようになりました。
受験のために,ただただ知識を詰め込む授業よりも,もっと価値のあることです。
自分の知識が不完全であり,知識は常に進化することを体験していれば,大人になっても学び続けることができ,自分の考えに固執することもなくなると思います。
過去の常識が今では常識ではなくなっているように,いま私たちが持っている常識や当たり前も将来的にはそうではなくなってる可能性は十分あります。
今の知識や考え方が完璧だと思わずに,常にアップデートする姿勢ってとても大事なことです。