アンダーマイニイング効果について。
これは「過剰正当化効果」とも言われます。
「やりたいことを仕事にしたはずなのに、やる気がなくなってしまった」ことですね。
あなたの周りでも、そういう人いると思います。
好きでやっていたものなのに、その行為に対して報酬が支払われると、逆にモチベーションが下がってしまうという現象を指します。
例えば、私の周りに狩猟を趣味にしていた人がいました。
射撃の腕も確かなので、噂が噂を呼び多くの近所の方に依頼されたのですが、駆除してくれたお礼にお金をもらってから、そのあとになんだか報酬なしで動くことが嫌になってしまい、熱意が冷めてしまいました。
その他、洗濯物を干すお手伝いを楽しんでしていたこどもに一回100円を渡してあげようと提案したら、逆に今まで何もあげなくてもやってくれていたのにお小遣いなしでは手伝ってくれなくなってしまった。
この現象を逆手に取って、子供のゲームをやめさせたという人をTwitter(現X)で見かけました。
子供が好きでポケモンを遊んでたが、特定のポケモンを捕まえたらお小遣いをあげるようにしたところ、最初は楽しんでいたのに途中で飽きてしまったとか。
内発的な動機でポケモンをやっていたのに、それがお小遣いという外発的な動機にすり替わってしまったことで、心から楽しめなくなってしまったことです。
こんな感じでよかれと思ってやっていたのに、報酬が用意されることでやる気がなくなることって身近にたくさんあります。
来院患者さんの「紹介」に関しても同じような現象があります。
紹介してくれた方に対して、1,000円の現金のキャッシュバックをしたところ逆に、紹介がされなくなってしまったと聞きます。
その患者さんは、心から紹介したいと思ってやっていたんですが、その紹介する行為が1,000円分の労働に変えられてしまったことでやる気がなくなっなってしまったようですね。
あと、お金のために紹介してると思われたくない、という心理も働いてる可能性はあります。
紹介に対して対価を用意することが必ずダメなわけではないことはモチロンですが、人間には「過剰正当化効果」というものがあるということは注意しておく必要があります。
最初は「やりたいからやっている」「楽しいからやっている」という動機だったのに、他者によってその動機が「仕事」「ノルマ」「報酬」「お金」などにすり替えられてしまうことで起きる現象だと発表されています。
人間って勝手だが、趣味は仕事にしない方が良い…ということに答えは出せなく議論を呼びそうです。