オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ

オレを憎め!オマエなんか大嫌いだ!

いつ読んでも名文【人生案内/読売新聞】

その昔、実家へ帰省したとき読んだ記事が衝撃すぎて、切り抜きを今でも持っている。

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読みにくいので横書きにしてみよう。

 

「何もかもただ面倒くさい」
人間・男・50代。ただ、ただ、毎日が面倒くさい。
口から出る言葉は、嫌だ、面倒くさい、疲れる。
それでも腹は減る。食べてしまう。食べるのは、パンとバナナ、時々、納豆、豆腐。

昨年はひどい腹痛で救急で運ばれた。痛いことは嫌だ。苦しいことは、もうこりごりだ。
 
自分で死ぬのは苦しいだろう。それに、そうする力もなく、ただ、それすら、面倒くさい、と。

 
人間も地球も、もうこりごり。3000年眠りたい。3000年後の世界を見てみたいと考えた時もあったが、今は、ただ、ただ、毎日をやり過ごして、ただ食って眠るだけ。

 
地球に、自分の体に大隕石でも落ちて、すべてが終わりになればよいと、考えながら眠りに就く毎日。

 
何を相談しているのかもわからない。こんな人間。このハガキも投げやりの勢いで、ようやく出す。死ぬこともできず、ただ、ただ、やり過ごす毎日。(青森・A男)

(2014年2月17日 読売新聞 17面 「人生案内」)

内容は劇的にヤバいのですが(まだ生きているのかな?)とにかく文章のプロだと思いました。
とにかく、ひどい何かで大きな深い傷を負ってしまったのだろう。
何かで凹んだとき、これを読み返している自分がいる。